ネックストラップの「長さ調整パーツ」の仕組みと選び方

ネックストラップを使う場面は、オフィスやイベント、工場、学校などさまざまです。その中で意外と見落とされがちなのが「長さ調整」の機能。使う人の身長や用途に応じてストラップの長さを変えられると、ぐっと使い勝手がよくなります。名札やカードホルダーの位置を自分にとってちょうどよい場所にできるため、見やすく取り出しやすく、動きやすさにもつながります。また、余分な部分が引っかかるのを防ぐなど、安全性の面でも有効です。

今回はネックストラップに長さを調整する機能を追加できるオプションパーツ「長さ調整パーツ」について、仕様や必要性を詳しく解説します。

長さ調節パーツとは?

長さ調整パーツは、ネックストラップに取り付けることでストラップの紐の長さを好みのサイズに調整できるパーツです。多くはプラスチック素材で作られており、パーツをつまんで動かすことで簡単にストラップの長さを調節できます。

長さ調整パーツの種類

長さ調整パーツには大きく分けて「胸元で調節するタイプ」と「首の後ろで調節するタイプ」の2種類があります。

胸元で調節するタイプ

弊社で採用している長さ調整パーツは「胸元で調節するタイプ」です。バックル型のパーツに紐を通して、余分な部分を引っ張ることで長さを調整する仕組みで、固定力が高く、ずれにくいというメリットがあります。

長さの調整範囲は最大でストラップの長さの約半分までです。ただし、長さ調整パーツ以外に安全パーツやその他の付属パーツがついている場合には、調整できる範囲が限られることがあります。

長さ調整パーツ(10mm幅用)
長さ調整パーツ(10mm幅用)
長さ調整パーツ付きネックストラップの装着イメージ
着用イメージ(SN10L-A)
長さ調整パーツ(JAC0007)
長さ調整パーツ(JAC0007)
長さ調整パーツ 幅15mm用 使用イメージ
使用イメージ

パーツのいろいろな呼び方

長さ調整パーツに用いられるベルトのバックルのようなパーツは、一般的に「送りカン」、「コキカン」、「板送り」、「角板送り」などと呼ばれるもので、ネックストラップに限らず、ポーチやリュックサックなど、さまざまなベルト・ストラップの長さ調節パーツとして利用されています。

また、同じような形状で真ん中の線が移動するものは「移動カン」 「リュックカン」「一本線送り」と呼ばれます。

英語では、ストラップが金具の3つの部分を通ることに由来し、「Tri-glide buckle」と呼ばれますが、単純に「Slide buckle」、「Strap adjuster」、「Slider」とも呼ばれることも多いようです。

首の後ろで調節するタイプ

コードストッパーのように首の後ろで紐の長さを調節するタイプの長さ調整パーツは、ストラップの長さを首の太さまでめいいっぱい縮められます。ただし、あまり縮めすぎると首が摩擦で擦れる可能性があるので適度な余裕も持たせて使用するとよいでしょう。また、縮めた分だけ首の後ろに輪っかができることのなるため、人によってはわずらわしく感じることがあるかもしれません。

長さ調整パーツ(JAC0008)
長さ調整パーツ(JAC0008)
長さ調整パーツ使用イメージ
使用イメージ(JAC0008)

そのほか、つまみで開閉して固定できる「クリップ式」もあり、こちらは片手でも操作しやすいため現場作業やイベントなどでも重宝されます。「クリップ式」は、頻繁にストラップの長さを変えたいときに最適で、たとえば、ジャンパーの上から下げる日と、シャツの襟にかける日とで調整が必要な場合など、柔軟に対応できます。

長さ調整パーツ(JAC0007)
長さ調整パーツ(JAC0007)

弊社で取り扱っている長さ調節パーツは先述の「胸元で調節するタイプ」ですが、こちらの「首の後ろで調節するタイプ」に変更することもできますので、ご希望の場合はお問い合わせフォームよりご相談ください。

長さ調整パーツの素材

ネックストラップの長さ調整パーツは、使用される素材によって機能性や使い心地が異なります。ここでは一般的に長さ調整パーツに用いられる3種類の素材について、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

プラスチック製

もっとも一般的に使用されている素材で、弊社で取り扱っている長さ調整パーツもすべてプラスチック製です。軽量でコストパフォーマンスに優れ、扱いやすいのが特長です。ただし、強い衝撃には弱く、割れたり欠けたりする恐れがあります。長期間の使用では紫外線や摩擦による劣化も見られることがあります。

金属製

金属製の長さ調整パーツは高級感があり、頑丈で長持ちするのが特徴です。しっかりと固定できるため、重さのあるカードやツールを下げる場合に適しています。ただし、重さがあるため首や肩に負担がかかりやすく、長時間の装着には向かない場合があります。また、装着時に金属パーツが顔に当たる可能性もあるため、頻繁に着脱する社員証ネックストラップなどには不向きです。

弊社では金属製の長さ調整パーツの取り扱いはありません。

ゴム製

ゴム製の長さ調整パーツは柔らかくて弾力性があり、使用中のストレスが少ないのが特徴です。微調整がしやすく、肌触りもやさしいため長時間の装着に向いています。一方で、他の素材に比べて強度が劣るため、伸びが生じやすく、長く使うにはやや不向きな面もあります。

弊社ではゴム製の長さ調整パーツの取り扱いはありません。

長さ調整パーツは後付けができない

ネックストラップの長さ調整パーツは、その多くがストラップ本体に縫製や接着、通し込みの工程を経て取り付けられています。そのため、完成品のストラップにあとから長さ調整パーツを取り付けることは、構造上ほとんどの場合で不可能です

市販の簡易クリップや留め具などで代用できそうに思えるかもしれませんが、強度や安全性の面で問題が生じやすく、業務用やイベント用としての使用には適していません。特に、パーツのずれや破損は、着用中の事故やトラブルにつながるおそれがあります。

どうしても長さ調整機能を追加したい場合は、長さ調整パーツ付きのストラップとしてあらためて注文することをおすすめします。弊社にご相談いただければ、デザインや仕様を変えずに長さ調整パーツ付きに変更することも可能です。最初の注文時に、使用目的や想定されるユーザー(例:子ども用、大人用)に応じて必要な機能を検討しておくと安心です。

まとめ|長さ調整パーツの有無はネックストラップの利用シーンを考えて決めよう

長さ調整パーツはあまり目立たないパーツですが、これがあるとないとではネックストラップに使い勝手が大きく変わります。利用シーンやユーザーに合わせて長さ調整パーツの有無を選ぶことで、快適で安全に利用できるようになります。

オリジナルストラップを製作する際には、紐の色やパーツだけでなく、こうした調整機能の有無や仕様にも目を向けることが、満足度の高い仕上がりへの第一歩です。